「スタジオジブリ」が性差別的な発言を英紙インタビューで披露してしまい、他の英紙も報道

以前の出来事を記録。発言は西村義明氏ですが、記事や記事への反応では「スタジオジブリが」という受け止めになっていますし、「ジブリのスポークスパーソン」的なかんじのインタビューになってるのでしょうから、それもしょうがないのでしょう。

インタビューされたのは西村義明氏

ジブリ新時代を担う“西村義明”ってどんな人? 『かぐや姫の物語』&新作をプロデュース | cinemacafe.net

英ガーディアンの西村義明氏インタビュー記事

記事のタイトル。

「女性は現実的、男性は理想主義的」:なぜ監督の性別が重要かについてスタジオジブリ

記事のタイトルにされてしまった発言はこちら。

Will Ghibli ever employ a female director? Nishimura fields this question.

“It depends on what kind of a film it would be. Unlike live action, with animation we have to simplify the real world. Women tend to be more realistic and manage day-to-day lives very well. Men on the other hand tend to be more idealistic – and fantasy films need that idealistic approach. I don’t think it’s a coincidence men are picked.”

ジブリが女性監督を雇うことはありますか?西村はこの質問にうまく答える(訳者コメント:「field=うまく答える」と直訳しましたが、これって皮肉も入ってるのかどうかはわかりません)

「どういう映画かによります。実写と違って、アニメーションでは、私たちは現実世界を単純化しなければならない。女性はより現実主義的な傾向があって、日々の生活をマネージするのがうまいです。男性は、一方、より理想主義的な傾向があって、そして、ファンタジー映画は理想主義的なアプローチが必要です。男性が選ばれるのは偶然だとは思いません。」

反応

ツイッターから。

It’s only a minor statement in the article, but I really don’t agree with this.(これはこの記事の中ではほんのちょっとの発言だけど、これには全然ほんとに同意しない。)

Studio Ghibli, generalising too much. I used to think you are cool.(一般化しすぎだよ、スタジオ・ジブリ。そして、あなたたちはクールだとこれまでは思ってたよ。)

was looking forward to rewatching Princess Mononoke next week but reading stuff like this is sort of a mega downer(もののけ姫を来週また観るのを楽しみにしてたんだけど、こういうの読んで、なんか超ガッカリだよ)

X (twitter.com)

記事コメント欄から。

Yes. Smells like… Sexism.(セクシズムっぽいにおいが…)

Nishimura’s statement on gender attitudes is an atrocity.(西村のジェンダーについてのコメントは暴虐)

‘Women are realistic, men idealistic’: Studio Ghibli on why a director’s gender matters | Animation in film | The Guardian

さらに記事コメント欄から。

I don’t know if you’ve spent time in Japan, but this kind of statement is totally day to day. In fact, he’s being open minded ( in Japanese terms). Very much so. Japan is very sexist far as women in the workforce go – they’re denied jobs due to age and personal appearance ( read ; pretty will get you a job). More than that, it’s perfectly normal for Japanese employers to tell their workers to lose weight or get fired. And in everyday conversation I can’t tell you how many times I hear one person say to a subordinate “oh, you got fat”. Yup.

In this case, he’s doing a very Japanese thing- ruminating out loud on the positive aspect of either gender and debating the pros and cons. This happens on every talk show on TV in Japan every day of the week.

(あなたが日本ですごしたことがあるかわからないけど、こういう発言って完全に日常のこと。実際、彼はオープンマインドしてる(日本の表現としては)。ほんとそう。日本はとてもセクシスト、女性の労働に関して、年や容姿で仕事拒否される(綺麗が仕事をもたらす)。加えて、雇用者が自分の労働者に体重減らさなければクビって言うのは完全普通。そして、毎日の会話で、部下に「おー太ったな」と言うのを私が何回聞くかあなたに言えない(くらいたくさん聞く)。そう。

この場面で、彼(西村監督)はとても日本的なこと-ジェンダーのポジティブ側面を思いっきり考えて、長所短所を議論するという-をしてるわけ。これは日本のすべてのテレビトークショーで毎日毎日起こること。)

‘Women are realistic, men idealistic’: Studio Ghibli on why a director’s gender matters | Animation in film | The Guardian

これはこれでステレオタイプ強すぎるような気がしますが、完全否定できるかというとできる気があんまりしないのがまたつらいところで。

さらにコメント欄から。「sexism」ってコメントに対して。

True but it is quite interesting as one would suspect a western sexist would say men are rational and women irrational which is basically the polar opposite of the Japanese stereotype. It basically proves that ideas around what men are woman are like are almost entirely cultural.

(そう。だけど、これなかなかおもいしろいというか、西洋のセクシストなら男性は理性的で女性は非理性的と言いそうだと思うわけで、これって基本的にこの日本人ステレオタイプと真逆。基本的に、男性女性がどういうものかについての考えは完全にほとんど文化によるってことを証明してる。)

‘Women are realistic, men idealistic’: Studio Ghibli on why a director’s gender matters | Animation in film | The Guardian

でも、日本でも男性=理性的、女性=非理性的ってステレオタイプ強いと思います。こういうステレオタイプが好きな人はどうとでも言うというか。「○○人は感情的で悪い。△△人は冷静で良い。」「△△人は情や思いやりがあって良い。○○人は冷酷で悪い。」の両方を言ったり。

このコメントに対して。

I think you are confusing practicality with rationality.

(実際的と理性的を混同してると思う)

‘Women are realistic, men idealistic’: Studio Ghibli on why a director’s gender matters | Animation in film | The Guardian

結局、どうとでも言えるというか、西村発言は「男の方がクリエイティブ」系のよくあるやつ。

たとえば「安保/国防話」だったら逆に、「男は現実主義的、女は理想主義的でお花畑」みたいなノリの人けっこういそう。「安保/国防話」でもまた逆に、「女は現実主義的=妥協できる=無茶しない=平和的、男は理想主義的=夢想的=無茶無謀をやらかす=好戦的」とか言ったり。(フランシス・フクヤマ氏が、超訳すれば(超訳すればです)似たようなこと書いて批判されまくってた気が→ Women and the Evolution of World Politics | Foreign Affairs

そして、インディペンデントでも記事に

反応

ツイッターから。

disappointed (失望した)

Whyyyyyyyy (なんでえええええ)

Wait, I thought we were too emotional… (まって、私たちは感情的すぎるんだと思ってた…)

As an animator, I don’t understand what he means.(アニメーターとして、意味がさっぱりわかりません。)

I’d like to know what the quote was in Japanese. Context & some words don’t translate well into English.(この発言が日本語でなんだったか知りたいです。文脈やいくつかの言葉が英語にうまく翻訳されなかったり。)(訳者コメント:いや、たぶん、日本語でもそのまんまだったのではという気がします)

I’m an animation director and tried to make sense of it and couldn’t. Whatever, generalizations sucks(私はアニメーション監督で、この発言を理解しようとしましたけどできませんでした。なんにせよ、一般化はクソですね。)

Women lack idealism necessary to direct fantasy? What an… interesting position.(女性はファンタジーを監督するのに執拗な理想主義が足りない?なんだ…この…おもしろいポジションは。)

no no no fuck this. even if men are more ‘idealistic,’ it’s only because they’ve had the privilege to be that way.(いや、いや、いや、クソすぎでしょこれ。たとえもし男性たちがより「理想主義的」だったとしても、それはただ男性たちがそんな風にあれる特権があった/あるからでしょ。)

What is this fresh hell? (なんだこの新鮮な地獄は?)

I wanna believe Hayao Miyazaki doesn’t agree with him. (宮崎駿はこの考えに同意しないと信じたいです。)

X (twitter.com)

西村氏がツイート

この声明についての反応。

これ本当に真っ当に「謝罪」だ。ご不快テンプレじゃない。(x)

まあ最初からそんな事言わないのに越した事はないんだけど、久し振りにこの手の話題においてきちんとした謝罪文を読んだ気がする (x)

ちょうどいい記事が

一部引用。

――ハリウッドには女性のスタッフはたくさんいるのですか。

 「私の子役時代は、撮影現場に女性がほとんどいませんでした。メイクアップ・アーティストと監督の補佐をする記録係ぐらいです。記録係というのは本当にしっかりした人しか務まらないんです。なぜか、これだけは昔から女性が担っていたんですよ。当時に比べると、今は多くの女性が働いています。ただし、一つだけ女性の数が全く増えていない職種があります。それが監督なのです」

 ――女性の昇進を阻む見えない障壁「ガラスの天井」という表現が、映画界ではフィルムの材質にひっかけて「セルロイドの天井」と言われるそうですね。

 「私は50本以上の映画に出演していますが、女性監督の作品はたったの1本だけです。欧州には以前から著名な女性監督がいました。米国でも、低予算の作品やドキュメンタリー、テレビドラマでは女性の監督が結構活躍しています。ところが、ハリウッドの大手映画会社が手がける、いわゆるメジャー映画が女性の監督に任されることはほとんどありません」

 ――確かに、映画界についてのサンディエゴ州立大の調査では、昨年公開の興行収入上位250作の米映画のうち、女性監督の作品は9%、17年前と変わりありませんでした。なぜでしょうか。

 「女性監督は、リスク要因だと考えられているからです。映画が娯楽の王様だったころ、人々は映画館に頻繁に足を運び、いろんなタイプの映画を観賞していました。いま、映画館に足を運ぶ人たちは減り、見に来る人々はストーリーでなく、刺激や非日常を求めています。だから『スパイダーマン』『アベンジャーズ』といったヒーロー映画のシリーズ作品しか生まれないのです。こうした特撮や特殊効果を駆使した超大作は、必然的に巨額の制作費がかかります。映画会社の幹部たちは、数億ドル(数百億円)も投資するビジネスの命運を女性に託したくはないのです」

 ――映画界はいまだに男性中心の社会ということでしょうか。

 「心理学で、人間は自分と同じ境遇で育った同じような外見の人に親近感を抱くといわれるように、映画会社の男性重役たちは男性の監督だと安心するのでしょう。ただ、事態はもう少し複雑です。5年ほど前、複数の米大手映画会社のトップに女性が就きました。ですが、状況はむしろ悪化しています。大作ばかりが作られる状況では、女性のトップも男性同様に女性監督をリスクとしか見ず、女性に道を切り開くまでに至っていないと思います」

 ――監督として撮影現場ではどう振る舞っているのですか。

 「監督は映画作りの全責任を背負うので、明確に直接指示を出します。男性たちが期待する伝統的な女性像とは異なる振る舞いをするので、彼らがどう反応していいのか困惑している様子をみてきました。男性たちに悪意はないです。ただ女性が監督のような仕事でリーダーシップを発揮することに慣れていないのでしょう」

 ――女性登用の割合を定めたクオータ制(割当制度)を映画界でも導入する動きが欧州などで始まっていますね。スウェーデンでは、映画制作の助成金の半分を女性監督の作品に与える制度を採り入れました。

 「とても興味深い実験ですね。でも、文化や芸能の世界で、この仕組みがうまく機能するかどうかは未知数だと思います。映画は一作一作が全く異なる芸術品なのですから。制度があってもなくても、私たち女性監督はどんな環境でも作品をつくり続けるしかありません。すでに、女性監督が増えた低予算の作品では、素晴らしい若い才能が生まれています」・・・

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